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主にゲームと映画についての雑記。

【DDLC】Doki Doki Literature Clubが面白いという話

 おはようございます(時間感覚皆無)

 僕はいっつもプレイ済みの人に向けたネタバレの記事ばっか書いてるので、この記事ではちょっと意識して「ネタバレ無しの紹介」と「ちょっと踏み込んだ話」に分けて書いていこうかと考えてます。




 まあ!なんてかわいらしい女の子が!四人も出てくる!!アッこの白いリボンの子かわいいよね!!!!


 バナーだけでだいたい察せたと思いますが、このゲームは"Team Salvato"により製作されSteamで無償公開されたギャルゲーのひとつです。
 無償ですが、この正しい意味でKIAIの入ったグラフィックで安心感を覚えた紳士諸兄もおられるでしょう。ええ、大丈夫です。実際にやってみた感想としても、クオリティに関してはちゃんとしたギャルゲーしてますし、しかも素晴らしい部類のものだと思います。
 Steamのゲーマー兄貴からの評判もかなり良く、2017 Steam Awardでも"言語に絶する"賞の候補に上がるなど面白いゲームとして定評を得ているようですね。ちなみに見事受賞した一位のゲームはGarry's modです。マジで何の賞なんだよ(困惑)


 主人公が幼馴染に誘われ、文芸部に入って女の子と仲良くなる…といった感じのADVなのですが、なかでも「詩を書く」というシステムが特徴的で、語群の中から任意の単語を選ぶとヒロインが喜ぶ、というシステムを採用しています。
 これが結構面白く、ヒロインの考え方と自分の詩的センスがどうマッチしていくのかでドキドキします。「あっ、このヒロインと趣味が似てるんだ…」という没入感がたまらない……

 全編英語ですが、日本語化するパッチが有志によって開発完了しているので、それを当ててプレイされるといいと思います。というより、僕も最近twitterで「日本語化出来るよ」という情報をもらってライブラリの奥底から引っ張り出してプレイしたクチです。

 あんまりスポイルするのもアレなので、まずはインストールして文芸部の四人を眺めてみてはいかがでしょうか?


 ああ、すみません。
 ちなみに僕のオススメヒロインはSayoriちゃんです。
 呼び止めてすみませんでしたね。ではダウンロードして遊んでください。どうぞ。











何かを察した兄貴&姉貴たちに向けた紹介

 そうですね。まずそもそもこんな場末のブログを読んでいる時点でゲームリテラシーのレベルがカンストしてるであろうゲーマー兄貴&姉貴を騙せるわけもねえとは思ってました。ですので、そういった方向けに「いい感じにスポイルしない雰囲気で紹介」していこうかと思います。


 たぶん「君に、言ってるんだよ」臭を感じましたよね。わかります。僕もこいつをウィッシュリストに入れた瞬間からビンビンに感じましたよ。ぜってえコレ作ったのはカタギじゃねえ!!!!と。否定はしませんし、もうぶっちゃけ隠してもしょうがないんで「そういった分類のゲーム」として見てもらって大丈夫です。ええ、そういうアレです。MARVELの黄色いフキダシで喋る赤いヤツ的なあれですよ。

 ですので、公式から言われている通り、お子さんや精神的に感じやすい人にはあまりオススメしません。多少覚悟して遊ぶ必要があるのは間違いありません。



 しかし、僕はそれを踏まえた上で書きます。このゲームはよく出来ています。

 この手のゲームをユーザーが満足できる形に仕上げるのは、正直とても難しいと思います。
 ゲームに対して、なにかそういう穿った……つまりひねくれたテーマを持ち込む場合、どうしてもそのテーマに至るまでの過程や装飾がおざなりになり、クリエイターの自己満足や単なるお説教に陥りやすいものです。「ゲームだからって油断しただろ!」「取り返しがつくって思ってたんだろ!」ということをとにかく言いたくて仕方がないあまり、ギャルゲーであればヒロインの造形が甘くなるとか、アクションであれば唐突に自分で選択できないまま辛い展開になったり。事実、僕が最近遊んだゲームでも取ってつけたようにメタを組み込んだ物があってガッカリしたことがありましたので、そのへんに関してはかなり敏感なつもりです。ですが、このゲームは"literature(文芸)"をきちんとゲームシステムに組み込んだ上でシステムを練っていて、それがなんというか……インタラクティブなんですよ。

 このゲームのなかで「詩を書け」というシーンが何度か出てくるのですが、たとえば僕が「死」「絶望」といったワードを選んだとき、また特定のジャンルのワードを選びすぎたときに、ある懸念を持ちました。"なんで彼女がこの単語で…
 …いや、これについてはみなさんもやってみるとすぐ分かると思うので敢えて言いませんが、その「プレイヤーの疑問」「選んだこと」に対してこのゲームはきちんと答えを提示してきます。ある程度ではありますが、自分の選択に対して双方向なゲームなのです。
 決して、この手のゲームにありがちな説教ゲームではなく、プレイヤーが自発的に何かを考える契機を与える仕組みになっており、そこがなんというか……このゲームと対話しているような気持ちになります。

 また、文芸というテーマをないがしろにしていないところも素晴らしいと思います。きちんと言葉選び、本というものへの愛情が伝わってきますし、「人によって言葉の選び方が違う」「表現に対するスタンスが違う」「なぜ創作物を好むのかという理由も違う」ということにも触れていて、真剣に文芸という題材に向き合っているんだなと感じさせられます。キャラクターの個性ともよく絡めてあり、特にYuriちゃんとの会話ではそれを強く意識させられました。


 最後に少し踏み込んだ話をしますが…、このゲームの但し書きにある「精神的に悩んでいたり感受性の強すぎる人はやめたほうがいい」という文言ですが、それはビックリさせる演出があるからというだけではなく、「プレイヤーが苦悶して戦わなければいけない、何かを背負わなければいけないゲームだから」でもあるのだと僕は思います。まだ一周目が終わったばかりの身ではありますが、すでに僕の頭の中では色々なことが渦巻いて整理が付きません……(これはまたあとで別の記事にするつもりです)


 ごめんなさい。何を書きたかったのか曖昧になってきましたね。
 シンプルにまとめると、「プレイヤーと向き合うための努力がキチンとされているゲーム」だということです。僕は今のところこのゲームに対してまだどう呼べばいいかわからない感情を抱いていますが、ともかく、プレイした人をその気にさせるギミックをよく練り込んだゲームだと思います。

 あまり無粋なことも言えませんので、まずは遊んでみてください。すごい作品だということは、僭越ながら僕も保証いたしますので。

<了>