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主にゲームと映画についての雑記。

今からオートマタを始める忙しい人向けニーアの話

 ニーアオートマタのデモ版が出て、僕のTLの諸兄にズボッと刺さった方が結構いらっしゃったので 「ニーアのネタバレを、なんかうまいことこう…書けないだろうか?」と考え、書いてみることにしました。

 この記事では、心がつらすぎて二週目の序盤でやめている中途半端な状態の自分が、知ってる範囲のことからなんとなくふわっとした感じでニーアのネタバレを書いていこうと考えています。まあ、なんとなくこういうタイトルの記事↑なのでお察しいただけたと思いますが、じっくり語りたいファンの方やネタバレが嫌な方はブラウザバックしてもらう感じでお願いします。


 さて、ネタバレについてなんですが、おそらく「これからニーア初代をそこはかとなくやる気配はある…が、PS3を起動するのは……」という方とか「よく知らんけどもしかしたらHDリマスター版出るんやないの?出たらやりたいなあ」と考えてる方もいらっしゃると思うので、さしあたってネタバレを三段階に分けさせてもらいました。といっても主観的に分けただけなので、こっから下は全部ネタバレだと考えてもらって読まないのがいちばんの安全策だと思います。
 
 
 
 
 
 
   

段階1 とりあえずニーアってどんなゲームなのよ


 …まあ、アクションゲームです。簡易的な成長要素を持ちながら、基本はストーリーを読み進めていくことを中心にしたアクションゲームで、剣や槍などを振るう主人公を操って進んでいきます。(タイトルにニーアとは書いてありますが、ふつうに主人公の名前は自分で決められます)
 まあ、例えるならゼルダの伝説が一番近いでしょう。世界の広さ的にも、オープンワールドと言うよりは「箱庭」の方が近い気がするので、時のオカリナみたいなもんかと思います。時間の逆行はできませんが、本作の中で「成長して大人になる」「主人公とともに世界を眺める」という要素もあるので、かなり近いような気がしますね。ストーリーの中身はともかく……。
 まずはほんの触りの部分だけ紹介しましょう。

主人公は(仮にニーアとしておきましょう)病弱な妹・ヨナを助けながら村で暮らすごく普通の少年でしたが、親代わりに面倒を見てくれているデボルポポルに頼まれ、村の外へとおつかいに行きます。この世界では人々は牧畜や農耕を営んでおり、時折遺跡のような建物から金属を拾ってきて武器を作っては、黒いモヤのようなマモノとの小競り合いをしてなんとか村を守っているというような生活をしていますので、それなりの大任ですね。それによって、ある村に行ったことから、物語は動き始めます…

…とまあ、本編をこれから遊ぶつもりだったり、リマスター版が出るかもと考えている人はこのくらい把握しておけば大丈夫だと思います。以下は本編のエンディングまで大雑把にお話ししていきますので、プレイする予定の薄い方のみ読むことをオススメします。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

段階2 序盤、青年期編~エンディング



 ニーアは、ヨナの日に日に悪化していく病を治すためにさまざまなところをめぐり始めることになります。その中で出会った魔法を使える不思議な本の「シロ」や、病を患っていながらなぜか下着姿でマモノを殺し続ける女性「カイネ」と出会い、ともに戦いながら、見るもの全てを石に変えてしまう不幸な少年「エミール」と知り合ったりと人々との絆を育んでいきます。また、カイネの話から、マモノにはボス格の「魔王」がいることを知り、ニーアは「魔王がヨナの治療の鍵を握っている」と確信して彼の居城への鍵を探してゆきます。
 ところが、ニーアの村を巨大なマモノが襲ったことから物語が急転。さらにシロと似た姿の「黒の書」を従えた魔王がヨナをさらっていきます。善戦はするニーアたちでしたが、あまりに強くしぶとく倒すに倒せないため、村の大図書館に封印することを考えます。が、押さえつける方法がありません。ニーアの使命を知るカイネは、このまま「自分自身を錠前に変える」ことを決意。最期までニーアを見守りながら、エミールの石化能力で扉ごと石化したのでした…

 数年後、失意に呑まれながらもマモノを殺し続け、ヨナの手がかりを追っていた青年・ニーアのもとにエミールから連絡が。彼の石化能力を自由に制御できるようになるかもしれない、ということで化物となった彼の「姉」と対峙するふたりでしたが、エミールは能力の制御と引き換えにヒトの姿を失ってしまいます。それでも彼を受け入れるニーアを、エミールははじめて見えるようになった目で見て、「とても、かっこいいです」と口にしたのでした。
 村に戻ってカイネの石化を解き、再び鍵を探す一行でしたが、かつてあちこちの村々で築いた絆やヒトとの思い出は失われていく一方。傷つきながらもついに鍵をそろえたニーアは、魔王の居城にたどり着きますが…。
 立ちはだかるデボルとポポル。はじめから彼女らは魔王の側にいた者だったのでした。それでも、デボルポポルをすら殺しても、ヨナのためにと全てをなげうっても進むニーア……。ついに魔王と対決のとき。黒の書を止めるために白の書が犠牲になるなど、死闘の末、ニーアは彼を打ち破り、ヨナを取り戻したのでした。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
   というのが、一周目のストーリー上のアウトラインです。かなりかいつまんで(イベントの大事なところは省略して)話したので、これでもまだ全然ニーアを楽しむことはできると思います。
 が、此処から先はマジで自分の知ってる範囲でいちばん核心の部分を書くので、(といっても僕も全部知ってるわけでは当然無いのですが)初代をほんとにやる機会がないだろうし、ええで!自分の責任で読むで!という方だけお願いします。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
   …いいですかね?
   では、以下から核心部分です。
 
 
 
 

段階3 実際のところ何が起こっていたのか


 まあ、そうは言いましても、全部書いていきますと「何言ってんだこいつ」くらいわけの分からない話になるので、込み入ったところはカットして順番に話していきます。

まず人類に何が起こったか、なんでいきなり農耕畜産生活してんのか

 というところですが、実は精神的前作にあたるドラッグオンドラグーンの通称「新宿エンド」から話が始まります。
 主人公カイムと、とあるドラゴンの、まあまたものっっっっっっっっっっすごい重い宿命を背負ったヒトと竜が、異世界から現実世界の新宿まで前作のラスボスを追いかけて倒しにきたのです……
 が、新宿にやたらでかいドラゴンが来たら「なんかやばいな」と考えるのが当たり前な話で、日本国は戦闘機で彼らを撃墜。その遺骸が東京タワーに突き刺さったわけなんですよね。
 まーーーーーーあその死骸が。厳密にはカイムと竜が倒したボスの死骸の方が、ですが、ヤバいんですよね。何がヤバいって「魔素」ってやつを全世界にブチまけはじめたんですよ。この「魔素」、浴びたヒトが白い塩になって死ぬか、発狂して他人を襲い始めるんですよ。いや、そもそも人類がいきなり撃ち落としたから悪いんですけどね。竜を。
 というわけで、人類はめちゃくちゃ衰退していくことになります。だからこれより後のニーアたちの時代に、文明があんまり残ってないんです。


「マモノ」「魔王」とはなんなのか


 で、人類はなかなかその病の治療法が見つけられなかったので、ひとまず「病気を患者の肉体の活動ごと止めてしまおう」と考えました。そこでエミールの姉である「ハルア」を改造して石化能力をもたせたんですけど、まあその結果は芳しくなかったので、第二次計画を考えたんですよね。

 それがゲシュタルト計画」といいまして、人間の魂を黒いモヤ状の、全く別のものとして分離する、という方法で保存。そしてこの黒いやつがゲシュタルトと名づけられたわけです。こうすることで、とりあえず魂だけとっといてあとでくっつけ直せばいいや、と考えていたところ、ゲシュタルトになれば塩の病気にかからないことを発見し、人類はどんどんゲシュタルト化していった……ものの、ゲシュタルトになった人たちが体をとどめておけず、「崩壊体」というやつになってしまったという経緯があります。

 黒いモヤ……。はい。そうですね。  お察しの通りこれがマモノです。つまりニーアくんたちはずーーーーーーーっとヒト殺しをしてたということですね……

体はどうするのか


 これが、このお話のミソです。実はまあ、人類もバカではなかったので、ゲシュタルトになるまえに代わりの体としてクローンのようなもの……レプリカントを作って保存しておき、さらに魔素技術などを使って「アンドロイド」も作成して、ゲシュタルトになった自分たちの維持をするように言いつけたわけです。このアンドロイドのうち二体が「デボル」「ポポル」
 レプリカントが成熟したところで、ゲシュタルトをこの中に転送しようという腹づもりで、これまた魔素を応用して「黒の書」「白の書」という装置も作っておきました……が。
 ところがどっこい、レプリカントに新たな自我が芽生えてしまい、新しい人類として勝手気ままに生活しだすようになってしまいました。うん、そうですね。つまり本編のニーアたちすべての人間……「だと思われていたもの」が、感情も人格も持っちゃいけないはずのスペアパーツだった、ということです。しかも厄介なことに、既に精神が宿っているレプリカントに無理やりゲシュタルトを移そうとすると、もとの精神とせめぎ合い「黒文病」という病気を発症するので(レプリカントヨナやカイネが患っているのはこれ)、どうにもうまいこと行かない。しかもゲシュタルトは日光に弱いという弱点もいまさら発覚(カイネはそのため下着姿で体を日光にさらしてマモノの侵食に対抗している)。


 ここからさらに人類のズッコケは続きます。なんと装置の片割れである黒の書がニーアとヨナに接触し、契約を結んでしまいます。このせいでニーアの精神は強烈なゲシュタルト化を起こし、魔王という強大なゲシュタルトになってしまったうえに、ヨナもゲシュタルト化。とはいえ、もうしょうがないので、ゲシュタルトのニーアはヨナ復活のためにおとなしく人類の言うことを聞いているわけですが、先程のレプリカントの自我の発生で完全にブチ切れ。「おまっ……、レプリカントにヨナの精神を移せなくなったじゃねーか!!」と完全に怒り狂って、人類から後を任されたアンドロイドを勝手に掌握。
 レプリカント・ヨナをさらって無理矢理ゲシュタルト・ヨナを移植しようとし、さらにそれをエサにレプリカント・ニーアと白の書を呼び寄せて、自分の黒の書とあわせて人類全員移植しようという暴挙に出たわけです。
 ってわけで、ニーアが戦っていたのはもともとの自分と同じ名前の、同じ見た目の、しかも皮肉にも自分と同じように妹思いな性格の自分であったということですね。
 

まとめ


 つまり、レプリカント・ニーアがゲシュタルト・ニーアである魔王を殺し、ヨナと幸せな生活を取り戻すと、
 レプリカントはそもそもアンドロイドに管理されてて自分自身で生殖することができないし、ゲシュタルトを転送するための黒の書も白の書も遺失してしまうので、人類はもうゆっくりと滅ぶしか無いです。
 ちなみに、僕自身は見ていないのでなんとも言えませんが他のエンディングはもっと酷いことになると大好評ですんで、そちらの方は皆さんの目で見ていただければなぁと思います。
 さて、要素だけ述べますと、こんなところでしょうか。本当はニーアの、捻くれていながらも他者を思いやれるまっすぐさだとか、ヨナへの気持ちは兄妹のそれなのにヨナからはそれより深い思いを抱かれていたりとか、そのへんのお話もしたいところですが、そこはぜひプレイして味わっていただければと思います。  では、かなり長くなってしまいましたが、このへんで失礼します。オートマタが楽しみですな!!!