クソザコバーチャルyoutuberを始めて思ったことと今後のvtuberの流れについて
ハーイ!ジョージィ!?(挨拶)
AKLOです。実は最近vtuberのようなものを始めたので、それについての話と、vtuber全体の今後の流れについて以前から考えていたことを書こうと思います。
べつに論じるとかそういうのじゃないので、適当に感じたことを書くチラ裏にしておきます。
vtuberになったことの話
正直、自分でvtuberと名乗るのもおこがましいクオリティなのでここに直接リンクを張るか迷いましたが、動画を投稿したりし始めました。ありがたいことに思ったより多くの方に視聴していただけてるようでして、映画の話とかしてます。
なんでそんなことしだしたかっていうと実験的な意味合いが強くて、「人はどれくらい低コストでvtuberになれるのか」というテストの一環として始めました。(自分の動画を見てくれている方はごめんなさい。変な意味ではなく、本当にまずやってみて知りたかったという動機がありました)
で、結論なんですけど、人間はお金をかけず半日くらいでvtuberになることができます。
でも僕がこうやって作った村崎なすび、実製作時間は三時間くらいですからね。お金もないから本当にテスト用として色んな要素を削って削ってやっていったんですけど、面白さとかクオリティを求めないのであればvtuberという大きな波の一端でパチャパチャ水遊びできるんだと思いました
— バーチャル茄子 (@A1KLO_neo) 2018年5月8日
これはもちろん、非常に広義な意味合いでのvtuber――キャラクターをアニメーションさせてyoutubeに動画を投稿しているという大枠―――にはなりますが、基本的にはパソコンさえ持っていれば誰でもvtuberになれると思います。
仕組みについて
獅子座☆B型様が作成された、Puppet2という自動でイラストの差分切り替えをしてくれるソフトウェアを使いました。
本来は生放送や配信に使うことがメインのソフトなんですが、僕自身も収益化とかするつもりはないですし、GPLv3的に問題がなさそうなので使わさせていただいて動画にした、という次第です。
仕組みとしては、口が開いている状態と閉じている状態、目が開いている状態と閉じている状態の差分切り替えでキャラクターが動いて見えるようになっています。さらにこの四枚セットをひとつの括りにして、Altキーで他のセットに切り替えできるため、イラストを用意して手動で切り替えれば擬似的に「喜怒哀楽」が表現できると思います。
僕はあくまで絵心がなく実験用として作ったのでアレですが、プロの方や絵が上手な方がイラストの用意をすれば、差分の数次第ですさまじい表現力を持たせられると思います。Live2Dのように顔認識してリニアに表情を変えるといった部分は難しいと思いますが、「美少女を立たせて喋らせる」というだけならば、これほど簡潔でわかりやすいソフトはないんじゃないかなと思います。
動画を作って思ったこと
やはり思ったのは、身も蓋もないですが中の人が面白ければvtuberは何でも出来るだろうな、ということです。
たとえば本当に目パチ口パクの状態でも、「画面内のそこに美少女がいる」というだけでおっさんモロ出しの状態よりは受け入れてもらえる確率がグッと高くなると思います。さらにボイチェンを噛ませたり読み上げソフトを使って声の面を工夫すれば、もうほぼほぼ美少女キャラだと思います。美少女は作れる。
言い換えれば、外見の面は低コストでこのレベルにまですでにどうにかなる時代になったわけです。もちろん用意できる素材に依る部分は大きいと思いますが、VRChatとVIVEと高性能PCを用意したり、FacerigとLive2Dを買ったりしなくても、MMDのモデリングができなくても、誰かに頼むか自分でバストアップの差分を用意すれば、あとはマイク用意して録画するだけのことです。いや、音声出力ソフトがあればマイクすらいらないかもしれませんね。
たぶんvtuberになるため必要なツールっていうのがデファクトスタンダードとしてフェイスリグ(live2d)そしてVRChatなんだろうけど
— バーチャル茄子 (@A1KLO_neo) 2018年5月13日
まだまだ定義がガバガバのいまなら中の人のトークが面白かったら何使ってもイケると思う
自分は自信ないけど
そうなってくると、あとはもう純粋にコンテンツ力勝負になるのかなと思います。「いかに面白く出来るか?」「いかにかわいさ・かっこよさを演出できるか」……差をつけられるとしたらそういうところだと思うので、先程述べましたとおり、中の人の力量や人生経験が問われてくるのかな…と。
ただ、あくまでそのあたりは、上を目指すとかエンターテイナーとして提供していくという面でのことになると思います。趣味でやってみたいということであれば、単純に敷居がかなり低くなったと言えるのではないでしょうか。
これからのvtuberについて思ったこと
「おめーちゃんとしたvtuberでもねえのに何胸はってんねん」とか言われると恥ずかしさのあまりBAROQUEの首の者みたいに埋まるしかないのですが、動画を作って投稿したという経験の中で思ったことと絡めてどうしても書きたかったのでメモしておきます。
動画制作での差
まずこれからvtuber界隈で起こるのは、商業と個人の二極化だろうな、と思っています。というか、もうすでに芸能プロダクションがやったりやり始めてるので、現在進行系で起こりつつあると思うのですが。
そこで思ったのが、商業的に製作されたvtuberの動画は「まず安定して面白いだろうな」という点です。
これは動画編集をやったことがある人ならわかるかもしれませんが、動画の編集はボロクソ大変です。僕も以前から何度か動画編集の経験はありましたが、たかが15分にも満たないあの動画を作るだけで10時間くらい費やしました。データふっ飛ばした時間も込みならその倍になりますね(絶望)
さらに言ってしまうなら、個人でやるとなるとすべての才能を求められるということになります。
さっきご紹介した方法である程度省力化することは可能ですが、とはいえ動かすモデルも用意しなきゃならんですし、編集以前に「演者として」そもそも素材の時点で撮れ高を意識してやっていかなきゃならないですし、うまくできてもカットしてわかりやすく仕立てるには膨大な時間が必要になります。
これをコンスタントに作るとなるともうヤバいことになると思います。仕事やりながら趣味でやってる個人では気が狂うの域にまで達するんじゃないですかね……。
そのへんでやっぱり強いのは、企業の分担システムだと思います。
まず編集が業務のひとつになるので、昼間の働いてる時間とかをそのままvtuberに充てることができます。さらにお金をもらって編集するので、そもそも技能がある人が雇われるわけですし、本人ではなく「客観的に見てこの動画素材は面白いか、面白くないか」を判断できますから、圧倒的に"強い"です。
一部には生放送や配信だけで活動されたり、にじさんじさんの「10分でわかる」シリーズのように本人に編集を任せる企業さんもけっこういらっしゃいますが、カットしてまとめた動画を作れるというのは「後から動画を追っかける新規ファン」もグッと掴みやすくなりますし、やっぱり有利なんですよね。
まあ中の人がそもそもオーディションで選出された優秀な方なわけですが、編集次第でその面白さを増幅することができるのでその点でもかなり個人と開きが出てくるのかなと思います。
ただ、これも先程の話と同じように「再生数を稼ぐとしたら?」という目線の話なので、「やりたい!」という人にとっては参考にできるテストケースがめっちゃ増えてることになりますし、逆に参入しやすい環境ではあるのかなと思います。商業と個人の二極化自体はすると思いますが、僕はとくに悪いことばかり起こるわけではないかなと思っています。
vtuberを取り巻く環境の芸能ゴシップ化
ここはちょっと、暗い話というか「こうなったら怖いな」という話になります。
僕は嫌儲とかではないので、別にvtuberさん自身が収益化することとか、もらえるものをもらうことはいいんじゃないかと思っています。キズナアイさんのように当然テレビに出て幅広く芸能活動するのも素晴らしいと思います。労働したり作品を公開すればどこかしらから対価をいただくのは当然のことですしね。
僕が怖いな、と思っているのはvtuberさんたち本人ではなくて、取り巻く環境の変化です。具体的に言えば、ゴシップを書き立てる下世話な連中が出てくることが嫌なんです。
もうすでに出始めているので後手後手な感はありますが、「有名vtuberの中の人は!?」「恋人はいるのか!?」とか書いてPVを集めようとするクソ迷惑なアフィリエイトまとめサイト、ほんっっっっっっっっっっっっっっっっっっとうに嫌いなんです、僕は。
もちろんデマを書いてPVを集めようとしてるところも嫌いなんですけど、僕自身も過去に作った画像ごと勝手に転載されたことがありまして、「てめーコラ俺のモンで儲けてんなら俺に原稿料払えやこのクソ野郎」と当事者目線で連中にブチギレてるところもあります。僕自身も色々とグレーな存在なので、収益化しないなら知りませんけどね。
で、やっぱり強く思うのが、「現実でも芸能人のスキャンダルにうんざりしてるのに、な~~~んでバーチャルでまでそんなクソを見なきゃならないんだ」っていう。
本当にコレなんですよ。だって現実のそういうのが自分にとって受け入れられるなら、そもそも現実のアイドルとか生身のyoutuberとか見てればいいかな、ってなる部分があるんです。他の方がどう感じられてるのか知りませんけど、なんでわざわざ「バーチャル」という一線を作ってるのに中の人をあーだこーだ暴き立てようとするのかなっていう。ナンセンスの暴力ですよ。
援用するというか、虎の威を借るような引き出し方をしてしまって申し訳ないんですが、vtuber立役者のひとりたる届木ウカ様が動画でこういうことをおっしゃってます。
※レディプレのネタバレがあるのでご注意ください
(動画内の発言内容を書き起こされた"すかいはい"様の記事はこちら)
note.mu
特に、と思ったポイントを引用させていただきます。
でも、VRはルックスはそもそも関係なしにまずアバターありきで話が進むでしょ。だから、ウカ的には、ARがそれぞれの個々を平等に伸ばすなら、VRはそれぞれの生まれ持ったスキルポイントをフラットにするっていうところが、ウカの好きなところなんだよね。 例えるなら、VRは背の低い人に椅子を二台あげて、背の高い人には一台あげて、みたいな。VRの恩恵っていうのは元々の出生した時のスキルポイントが低い人ほど強いと思う。
確かにウカもバーチャルが世界を食って、バーチャルとリアルの割合が10対0になればいいとかは全然思ってない。でも、せめて5対5になればいいと思う。 生まれ持った顔や人種や年齢とかそういうものが一切考慮されない場所で、例えば委員長(バーチャルYouTuberの月ノ美兎氏)みたいにサブカル知識で登り詰めて今の人気を獲得した人が出てきたでしょ。だからそういう場所が5割くらいはあってもいいと思うんだよ。
僕らはルックスやその他の体の都合で肉のアバターで出られないからバーチャルなアバターで出てきてるんじゃないの。肉のアバターっていう不便なものを脱ぎ捨ててアバター芸とか色んな解放された表現ができるんだよね。
僕はこのくだりを、バーチャルであるからこその利点を見事に捉えてるなと思ってます。美しい話の組み立て方だったので正直中略とかを入れたくなかったです。
バーチャル世界は、現実の醜悪さやしがらみを、押し付けられた社会的役割を、放り投げて好きな自分を演じられる場所だと思うんですよ。匿名であることを活かしてね。そしてもちろんそこへ「自分から」現実の自分の特徴を持ち込むこともできます。僕なんかが「映画が好きだからなすびも映画好きって設定にしよう」と考えたように。
だけど、本人が知られることを望まずに隠していることを解き明かそうとするのは、その人への嫌がらせに近い行為じゃないかなって思うんですよ。そこんところマジで僕は、わざわざ生の肉体世界でのことを切り離して、恋も愛も、セックスのことも、性役割のことだって投げ捨てられるこの世界に、ど~~~~~~~~~~してゴシップ精神を持ち込もうとするのかなって思うんですよね。
もうやめましょうよ、そういうの。現実でやってりゃいいじゃないですか。
そりゃ、僕がここで「嫌だ!!」って騒いだって変わんないですよ。どう足掻いてもそういう、汚い話で儲けようとする連中ってのは出ると思います。それに対してグダグダ言っても「ピュアかよ」とか笑われんのが関の山でしょうね。
だけどわかってほしいのは、みなさんがもしそういうふうにあることないこと書いてるサイトと出くわしたときに、「(拡散したりその情報を信じることを)本人は望んでんのかな」「本当にそういうソースはあんのかな」と、一瞬考えてほしいんですよ。そして願わくば、そういう下衆な連中をそのままゴミ箱へ葬り去ってほしい。僕もこの前そういうこと書いてるサイトに出くわしたので、自戒も含めて主張したいと思います。
べつに、個人レベルでなんとなくそういう話をしたりするのまで「やめろ」って言ってんじゃなくて、自分が日の当たる道を歩いているまっとうな人間だと思うなら、お金をむしり取るために悪意を撒き散らす連中にエサをやんないほうが良いよ、と言いたいだけです。
なんつーのかな。よろしかったら、わかってください(文法崩壊)
おわりに
んー、なんか暗い話になってすみません。後半ほぼ自分の愚痴っすね。
でもまあ、総合して考えてみると、けっこうvtuber自体の未来は明るいんじゃないかな?と思います。
僕本当にこのお二方は尊敬してやまないんですけど、坪倉輝明さんとかねこますさんが徹底的に研究してガイドしながら技術を世に知らしめてるので、いまのVRとかvtuber界隈ってめちゃくちゃ恵まれてますよ。ねこますさんは一時休止されてますけど、新規にVRを始めたい方の相談とか受けていくそうですし。いやマジ、最先端のシーンで研究しながら他者に教えつつエンターテイメント的に面白い作品までブチ上げる技術者って、ヤバいですよ。あー、締めの文なのになんかまたいろいろ書きたくなってきた。のじゃおじすこ……ほんとすこ………
結論としては、基本的にいい意味でも悪い意味でも現実の方の芸能界、テレビ番組と似た流れをたどるのかなー……と思う部分はあるのですが、それはそれとして個人の、我々オタクが好きそうなアングラな感じのvtuberもきっと継続して出てくるという希望も持てる展開なのではないかな、と思います。先程名前を上げた先達の方々によってそういう新規参入者をサポートする土壌が築かれているので、本当に素晴らしいですよ。好きなvtuberがいなかったら自分で始めたっていいんです。
ということで、蛇足ながら最後に一言を添えて筆を置かせていただきます。
お前もバーチャルyoutuberになるんだよ!!!