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主にゲームと映画についての雑記。

【Vtuber】バーチャル界隈に今起きかかっていること、すべきこと

 おしり見せなさいよ!(挨拶)

 どうもAKLOです。
 以前、僕がVtuberらしきものを始めて考えたりしたことを少し書きましたが、その後半部分、「ゴシップ」まわりについて案の定かなりマズイことになり始めていると感じたので少しその記事を書きます。

 べつに偉そうに注意喚起とかするつもりじゃないんですけど、かなりシリアスなお話ではあるのでぜひVtuberのアクターの方や管理する事務所の方にはこの辺のことを考えてもらえたら、いちファンとしてとてもありがたいことだなと思います。



現状について


 前回も書きましたが、もうすでにバーチャルyoutuberVRを取り巻くゴシップ環境はほぼほぼ完成していると言ってもいい状態です。もちろん個人が趣味で行っているニュースサイト程度ならまだかわいいものですが、散々問題になっているアフィリエイトまとめサイトもかなり出てきていますし、少なくとも健全とはいい難い状況になりつつあると思います。
 さらに憂慮すべきは、俗にいう「魂バレ」が頻発し、ただキャラクター名をググるだけでSEO上位にVtuber本人の身元がサジェストされるというような一大事がすでに起こっていることです。

 まとめサイトが絡んでいる時点でろくでもないのですが、そのへんの事情がわからない方も居ると仮定しまして、ひとまずこの状況のどこが問題なのかというところから説明していきましょう。

 まず、まとめサイトとは善意で運営されているものではありません。アフィリエイトのPV数(表示された数)をもとに、広告会社からマージンを貰えるといった「ビジネス」です。広告会社からお金をもらって運営できるなら閲覧者にとっても無料でコンテンツを楽しめるので一見Win-Winかと思われますが、多くの場合残念ながらそうはいっていないのが現状です。
 たとえば、某巨大掲示板にて過去さんざんゲームハードに関してモメた問題があったのですが、この話題性に目をつけたまとめサイト書き込みをまるまる記事として転載、アクセス数を見込んで広告収入を増やそうとしたことがありました。当然それに対して掲示板側は転載禁止という措置をとったのですが、その後もしばらく無視して転載を続けるなどまとめサイト側は悪辣な対応を行っていました。
 人のものを盗んで儲けるというだけでもかなりまずいのですが、その後さらにあることないことをさも「オフィシャルからの発表」のように記事として書き立て「デマでお金を稼ぐ」という信じられない手法を確立してしまったため、多少なりともリテラシーのある人間からは蛇蝎のごとく嫌われる存在となっています。こういった輩が、すでにバーチャル界隈に手を出しているという状況になっています。

 ここまでなら「まあそうは言っても、週刊誌と変わらないんじゃない?」と思えそうなところです。…が、週刊誌はあまりにもまずいことを書いたり名誉毀損があれば「社として訴えられる危険性」がありますので、最悪の場合でも訴訟を起こしやすく、記事を取り下げさせたり損害を取り戻せるチャンスがあります。
 ところがどっこいまとめサイトはそうはいきません。訴訟するにも証拠を残しにくく、海外サーバーを経由されていることで日本国内の法律を適用しにくかったり、法に触れる内容であっても法執行機関が追跡しづらい。それに実際は会社じみた集団なのに「有志の個人運営」として責任逃れをしようとしているところもありますから、もはや反社会勢力と考えていただいたほうがいいでしょう。


 某ミライなんとかさんが(単なる社交辞令とは思われますが)「まとめサイトをいつも読んでいる」とtwitter上で発言して炎上した騒ぎがありましたが、このような経緯があったからこそそうなったのだとわかっていただけたと思います。


現状に対してどう対処するべきか


 こういった状況に関して、前回の記事でも書きましたが僕自身ファンとしてバーチャルyoutuberの配信を楽しむ上で非常につらいですし、結構な数の方がこの現状に対して嘆くつぶやきをしておられるので、僕と同じように感じる方もかなりの数出てきているように思います。また僕のようなファン側が楽しめるかどうかの問題だけでなく、「魂バレ」のつぎは「住所バレ」なんてことも冗談ではなくありえますし、配信者のアクターさんに実際に危険が迫ることも十分に想定できます。魂バレの時点で「嫌なら見るな」、で済まされない実害が出始めているということです。
 そこで以下にいくつか、しておくとよいかなということを考えてみました。
(あくまで僕個人が素人考えでご提案しているだけのことですので、もし企業様や配信者様がこの記事をご覧になっている場合はきちんと専門家の方と相談されたほうがよいかなと思います)

スタンスとルールを明示する


 まずガイドラインや規約を設定し、「どこからどこまでがオッケーなのか」を明示することが考えられます。

 これはすでにやっておられる企業様もおられますが、著作権や使用料と言ったお金の問題だけでなく、配信側がどのような距離感で関わるかも示せますので、企業だけでなく個人の方も確実に制定したほうが良いと思います。

 たとえば、「多少自分の情報が明らかになってもいいから、視聴者さんと交流したい」と考えている方がいたとしましょう。この場合は、規約やガイドラインについてあまり考える必要がないかもしれませんね。
 しかし「アクターさん自身外見にコンプレックスがある」「自分の情報を明かしたくない」といった場合は、いざ何か起きてしまう前に予防線を張っておくべきでしょう。また、ファンアートや二次創作で意図しない使われ方、ファン同士でいろいろと揉めそうな利用―――たとえばキャラを虐待するイラストが公開されるとか――――をされる危険性も考えますと、「オフィシャルからはNOと言っておきます」と明らかにすることで、完全な予防はできないまでも、表立っては取り沙汰されることを防げるでしょう。言い方はちょっとひどいですが……ファンの間での「自浄作用」も期待できますしね。

 心苦しかったり遠慮して「縛りを付けないでやっていきたい」という考えもお有りかもしれませんが、決まりやガイドラインがあまりにあやふやすぎますと、ファンの間で「自治厨」「荒らし」などといった内紛じみた言い合いも起きてしまう部分があります。オフィシャルな発言として「提供側がどうしたいか?」を早い段階で示しておけば、のちのち「解釈違い」や「派閥割れ」などのトラブルも防げますから、そういう意味ではむしろファンにとってもある程度決まりを設けていただけるのはありがたいのです。
 このように、ガイドライン制定は法規的な部分でもそうですが、それ以外に対しても有効な手段ではないかなと思います。

有害と考えられる相手に警告しておく


 これは実際に「バーチャルのじゃロリ狐娘Youtuberおじさん」こと、ねこます氏がとられた手段ですね。

 彼……いや彼女……どっちなんでしょうか……とにかく、ねこます氏はもともと事情通な方でしたので、実際に先述したまとめサイトからの害を被った際、いの一番で抗議メールを送り、自身に関わる既存の記事の削除と今後一切のIP利用禁止を言い渡すといった対応をとられました。その際、法に詳しい方との関係性も想像させる書き方をしておられたので、やはり訴訟を前提にした警告が有効かと思われます。
 とはいえ、前述しましたようにまとめサイトの連中はアウトローな輩なので、具体的な法的手段をとらない生半可な警告は無視したりしますし、とにかく「きっちり訴えて盗られたゼニをぶん取り返してやる」くらいの気持ちで徹底したほうがよいかと思います。

 …これは繰り返しになりますが、まとめサイトに関しては広告効果もあるかもしれませんが関わりますと圧倒的に損害のほうが大きいです。なにしろ大企業たるあの任天堂が、デマを防ぐことも目的の一つとしてニンテンドーダイレクトを作ったくらいなのですから……。
 絶対にボロを出さない、他人の悪意をコントロールしてみせるという自信をお持ちの方や「自前でどんな状況からもアクターを守れる」と考えておられる企業様なら知りませんが、アクターの方のメンタル面も考えますと先に警告を発表したり悪質な記事を載せているサイトに通告を出したほうがよろしいかと思います。


社内でアクター側にリテラシー教育をする


 たとえばインターネットネイティブといいますか、「fusianasanと打て」と言われて素直に入力しないような方なら心配ないと思いますが、僕が見ている限りそのへんの危機管理がダダ甘な配信者さんが結構いらっしゃるので、ちょっと性急にやったほうがいいんじゃないかな……と思います。

 僕のように、個人がただ単純に身内とワイワイするだけの趣味の一環としてやるだけで、有名になるつもりが欠片もない方ならガバガバでもいいかもしれません。

 しかし、企業様ですとさすがに今のような状態を放置するのはまずいと思います。きっちりやってるアクターさんでさえ過去のつながりから身バレというようなことが起きてしまうのに、自分から正体を明かすようなことをしでかしかねないのは危険としか言いようがないです。
 ある程度ネットを使い込んでいて、過去どれだけヤバい事件があったかを知っている人……たとえば月ノ美兎さんのような方はグレーゾーンに関しては言葉を濁しますし、鈴鹿詩子さんのような伝説の801板の住人の方であれば僕みたいなクソザコムカデ人間はただただ平伏するしかないのですが、自撮りSNS文化やスマートフォンからネットに入り始めた世代の方だといささか危ないかなあ…と。
 先述しましたが、自分の姿がバレるだけならまだいいですが(といっても住所バレに繋がるのでかなり良くないですが)、直接実家や住んでいる住所が知れ渡ってしまった場合、脅迫・ゆすり・強盗・ストーカー・致傷・暴行………悪意ある人物から何をされるかわかったもんじゃありません。
 ファンを信用するのと悪意ある人物・集団に対してノーガードなのは全く違うことですので、多少なりとも社内で「こういったことはマズい」という事例は共有しておくべきではないでしょうか。

最後に――「その先」について


 かなり暗い記事……もはやパラノイアめいた内容になってしまいましたが、残念ながらこれらはすでにバーチャル界隈で「起こりかけている」ことです。また、「コンテンツの一生」と揶揄されるようにインターネット上では枚挙にいとまがないですが、どのような人気コンテンツでも人気に伴って同じような問題が起きていたり、その結果コミュニティや業界が崩壊した例もあります。ネトランの問題とかね。
 ただ、それを踏まえた上で僕がお伝えしたいのは、そういった「人口や人気に伴って来るであろう厄介な事柄」だけでなく、新たに来る人々の中に素晴らしい行いをされる方がいたり、さらにその先、つらい時期を耐えきったあとに醸成される穏やかで優秀な土壌もあるということです。「ニワカだからNO」なんて意地張ってたら風通しが悪くなりますし、そんなことを言ってしまえば僕自身がそもそも以前からyoutubeで配信していた方々からすればクソニワカもいいところですので、決して「大衆はわかってねえから全部ダメだ」なんて叫びたいわけではありません。

 ですから、ファンを片っ端から疑えということではないのです。これからここ一番ほんとうにそこだけ、念のためにそういった悪意に備えていただきたいというだけなんです。仮にいろいろと荒れてファンも運営側もしんどい時期が来たとしても、きっとオイシイ部分もあるはずです。いかに「リスクを抑え、ファン人口増加の利益をフルに得つつ、アクターを守ってその先までコンテンツを維持していけるか」、これをぜひ考えていただければファンとしてもありがたいことだなと思います。

 つい偉そうに長々と書いてしまいましたが、ファンとして末永くvtuberの方々を応援させていただきたいので、「こういったリスクもあるよ」といった形でなんとなく頭の片隅においていただけると幸いです。