12garage

主にゲームと映画についての雑記。

生活がアンバランスなのにバランス接続環境構築した

 趣味に金突っ込みすぎて金銭のバランス感覚ないのにバランス接続の環境を作りました。
今回はその様子をポツポツと書いていきます。


もくじ

バランス接続って何や

 バランス接続というのは、かんたんに言えばイヤホンやヘッドホンの左耳右耳を独立させることです。

 実は一般的に我々が使っている3.5mmイヤホンジャックは、左右のプラス極は独立させているものの、マイナス極は左右混ぜて一本にまとめて電流を返しています。
 この結果、ごくわずかではあるものの、左右の音が混ざる現象(クロストーク)が起き、左でしか鳴らないはずの音が右でも鳴ったりします。それを「せや!三本目でマイナス混ぜとるのが悪いんや!左と右で二本づつ四本のケーブル使って分離させたろ!!!!」とするのがバランス接続です(たぶん)。

 バランス接続で音楽を聞くためには、バランス接続に対応した再生機器と、バランス接続として構築してあるイヤホンやヘッドホンが必要になります。


AP80PRO



 そこで今回用意したのが、AP80PROという中華オーディオプレイヤーです。

 もともとこれの前世代機にあたるAP80を使っていたんですが、機能の使いやすさやコンパクトさが気に入っていたので、マイナーチェンジとしてDACチップを増やしたりバランス接続に対応したPROの購入に踏み切ったという次第ですね。


 別にステマというわけではないですが、AP80は設計しているhidizsという会社が安かろう悪かろうではなくパーツにこだわって作っているので、中華としてはかなり信頼できるメーカーだと思います。

 最初は僕もなんじゃその会社はと思ってましたが、音楽系ウェブマガジンでも性能検証されたりしているので、今はまあまあ信用を置いているメーカーです。


バランス化

 さて、再生する機械は手に入っているわけですが、僕は肝心のバランス接続のためのイヤホンは持っていません。

 ……どうしよう?
 そこで「バランス化」を画策します。

 バランス接続というのは、要は左右のドライバーが別々の線で繋がれていればいいという構図ですから、ふつうはケーブルを切って端子にはんだ付けしたりする必要があります。
 ところがイヤホン本体にケーブルの差し口があるイヤホンやヘッドホンは、ケーブルのほうを変えてやればそれで済みます。もう出来上がってるやつを突っ込んでやればよいわけですね。
 こういうバランス接続用に少し手を加えることを俗にバランス化と言います(そのまんまですね…)。


 現在よくあるのは2pinだとか、MMCXというやつで、これらは最初からケーブルが変えられるように規格化されている端子なので、それにサードパーティ製のバランス接続ケーブルをポチってからブッ挿せば完成です。
 便利ですね。


 いつだか記事を書きましたが、僕が持っているイヤホンのIE40PROはケーブルを取り外せる仕様なので、これを利用してバランス化していきます。


IE40PRO


 ということで適当にサードパーティのケーブルを買って繋ぎました。



 さて早速聞いた感想ですが、なかなか凄い変化をしたように思います。
 もちろんオーディオ界隈は個人の感覚によるところが大きいのでただの妄言として聞き流してほしいのですが、個人的には有意に差がわかる変化だと感じますね。


 IE40PROはもともと高い能力を持ったモニターイヤホンですが、その長所である表現力がさらに伸び、たとえばポルカドットスティングレイ「サレンダー」のハイハットなんかがめちゃくちゃよく聞こえます。
 繊細過ぎて刺さりかねない高音があったりするので単純にアップグレードされたというわけではないですが、緻密に織り成されたクラッシックやジャズの空気感を味わうには素晴らしいと思います。
 どういう曲もキレイに聞けると思いますが、とくにそういう曲と相性がいいかもしれません。


(番外編)HD599のバランス化


 IE40PROと同じく、ゼンハイザーのヘッドホンHD599もバランス接続にしました。

 ゼンハイザーの一部のヘッドホンは、もともと四極として本体が設計してあるケースがあります(内部的には左右の配線が独立している)。HD599もそのひとつで、本体が四極です。

 この四極の本体を、付属のケーブルでは汎用性の高い三極3.5mmプラグに変換しているので、実はケーブルを変えるだけでHD599もバランス化することが可能です。

 ということでケーブルを変えてバランス化しました。


 こいつについては、マジで凄いとしか言いようがない変わり方でした。
というか、言ってしまえばそもそも内部が四極のものを四極として使えるように組み直しているだけなので、むしろこれが本当の姿なんじゃないか?とも思いますね。

 三極ケーブルで聞いていたときはなんだかパワー不足のような、ボワボワして低音が欠けたような部分があったものの、四極バランス化してからは余裕のある音を出してくれるようになりました。
 低音を中心に足りなかった部分がちゃんと出るようになっているので、DAP自体の性能も良くなっていることがわかります。


今回のバランス接続の感想とか


 ものすごく雑な言い方をするとオーディオ関係にはオカルトじみた説なんかも多く、イヤホンやヘッドホンのメーカー側もそういうオカルトを使ってあくどい商売するところがあるんですが
バランス接続については実際にクロストークを予防できるという点で科学的に効果が実証されているので、今回試すに至りました。


 結果としては特にHD599の変化が顕著だったので、自分としてはバランス接続の効果は確実にあるなと思いました。
 というかそもそも音楽に対してめちゃくちゃストイックでカタブツなゼンハイザーが最初からそのつもりで四極ヘッドホンを出しているので、そこはマジなんだなという思いが強いですね。


 オーディオは自己満足の世界とも言われていますが、わりとやってみると本当に違いがわかるものなんかもあるのでぜひこの記事を読んでいる方々にも試してみてほしいなと思いますね。

 (オーディオ沼に)沈めっ……!


〈了〉