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主にゲームと映画についての雑記。

【Steam】ナミビアのサンタはおまえに2021ウィンターセールが来たことを教えてくれる

 よくきたな。おれは逆噴射エイク郎だ。 おれは毎日すごい数の砂粒をナミビアライブカメラで数えているが、おまえに教える気はない。そしていつものようにおれがナミビアしていると、SANTA・・・・ヤツがあらわれたのだ。


 「SANTA!?!?」チャット欄は一気にサンタ・リアリティ・ショックにさらされ、聖なる日に湧いた。でもこいつら車が現れても「Car!?!?」とかゆってるので基本アニマル以外の何が現れても驚愕してる気がするな。インターネットにSANTA登場の報が電撃的に拡散し、こしぬけの陰謀論者たちが否定したがっていたSANTA実在説は完全にしょうめいされた。かねてより世界じゅうのこどもたちにプレゼントを配り歩くタフネスは範馬勇次郎クラスではないかと噂されていたが、厳しい砂漠をすらものともしないSANTAはやはりしんのおとこだったとゆう格好だ。ちなみにナミビアの地元のおっさんや運営のおっさんがたまに遊びにくるが、彼らはとくにSANTAとは関係ないだろう。



※記事のリスペクト元:[逆噴射聡一郎先生](https://diehardtales.com/n/n73ec21c8457b)

独特な観点からレビューをおこなう社会派コラムニスト。しんのおとこでありゲーマー。


 さて、SANTAがあらわれたということはSteamウィンターセールの時期が今年もおとずれたということだ。MERI-KURISUMASU・・・・おれは赤い衣をまとったしんのおとこのすがたに打ち震え、いてもたってもいられずPCを起動し、記事を書くことにした。



溶鉄のマルフーシャ



 妹とふたりでパン屋を営んでいたマルフーシャちゃんが徴兵され、国境の門をぼうえいする・・・・とゆう筋書きの2Dシューティングゲ0ムだ。

 プレイすると、とゆうかPVの時点でだいぶイングソックじみた気配をただよわせているがお察しのとおりここは全体主義国家だ。しかもあの美大落ちのちょびヒゲですら二正面作戦だったとゆうのに、このヤバ国家は周囲の全ての国に宣戦布告しており頭モンテズマみたいな全方位中指外交をしている。たぶん史上最高のあほドクトリン選手権で一位をとりたいのかもしれない。


 ゲームを開始すると、マルフーシャちゃんにはあまりにも貧相なピストルが支給されるのでそれで戦ってゆくことになる。エッ・・・KAWAISOU・・・・このおれもさすがに涙した。とはいえ仕事で戦っているいじょうマルフーシャちゃんにはちゃんと給料が出る。やったねマルフーシャちゃん!
 ただこの国は重度のあほ国家なので税金をバシバシ天引きしてくるし、「上級国民より低級国民から重税を取るね」とかスカムなたわごとをぬかしてくるので富の再分配がいっさい機能していない。まあ、あたらしい装備などは手に入るのでまだ流通とか兵站が息してるだけマシ・・・・かもしれない。自費だが・・・・。

 そんな最悪な国家でも、ともに戦ってくれる心強いサボタイたちがいるのが救いだろう。たとえば機関銃を撃ちすぎたせいで聴力がポンコツになってしまったエノスちゃん、腕はいいがせいかつ能力が壊滅的にない狙撃手のフェリセットちゃんのような兵士が・・・いややっぱダメかもしれんこの国・・・・ともかく、銃弾をはっしゃすることくらいはできる仲間たちがいる。

 このゲームの良いところは、そういった厳しくスカムでイカれたダメ国家とゆうバックボーンをゲームシステムに落とし込み、「(クソ税制のせいで)かぎられた資金を強化、装備などにどのタイミングでどう割り振っていくか」「損失をださないように戦っていくにはどうしたらいいか」といったプレイヤー側がかんがえて遊ぶ動機づけにうまく合致させていることだ。
 ストーリーや世界観設定はパッと見では多く語られないが、遊んでいくことで解放されるキャラクター資料集や仲間とのイベントですこしずつ明らかになってゆくので、それもまたリプレイ性につながっており上手いところだとおもう。
 おまえも決断的にインストールし、鉄風雷火ふきすさぶ前線で生きるためにあがく少女兵士を目撃しろ。






INSCRYPTION

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 INSCRYPTIONはとてもファンシーでたのしいどうぶつカードゲームだ。そらとぶポニーみたいなのが大好きなおともだちならきっとしあわせな気持ちでいっぱいになるだろう。
 旅の途中で出会ったカードのアニマルたちを引き連れて、デッキを練り上げバトルに興じよう。



 だろうな。もし妙な空白があったら疑問に思ってとりあえず反転してみる・・・おまえならそうすると思っていたし、おれがおまえならそうするだろう。INSCRYPTIONはなにかおかしいと思ったらちょっといじってみたり調べたりする、そうゆう自発的にかんがえて動くやつにたいして新たな展開を用意している。歯抜けになった情報があればどうしてそうなっているのか気になって仕方ないだろう?つまりおまえのような謎掛けに目がないやつが楽しめるゲームだ。プレイし始めたとき、おまえは「なんだこのクソルールとクソGMは・・・・帰っパしよ」と思うかもしれない。しかしこの文を読んでいるように、「気づいたら何かを試して考えてみる」とゆう行動ができるならすでにあれこれ気になり始めているはずだ。思ったことをやってみろ。そうすると途端におもしろくなりだすぞ。
 さあ、カードゲームを始めよう。



シルバー事件




 須田剛一というとゲーム業界でもトップクラスにぶっ飛んだ変態クリエイターで、プレイヤーを置いてきぼりにするシナリオなどでも有名な人物だろう。

 その須田剛一のたずさわった作品の中でも、シルバー事件は比較的意味がわかるというか・・・・ある程度は話の内容がわかるものだと思われる。


 ウエハラカムイにまつわる主軸の物語は難解というかもはや韜晦であり、とにかくぼかしてプレイヤーをまどわせてきたり、いきなり百本ノックと称してクイズやらせてきたりするふざけたゲームではある。
 しかし、生きていく上でPAST・・・過去を背負っていくしんのおとこの背中を描くことに関しては間違いなく一流のタイトルだ。意味はわからなくても、そこで交わされる会話やしぐさをなぞるだけでもハード・ボイルドを感じ取ることができる・・・・。スミオとテツさんの気の抜けた他愛もないべしゃりも、実はふたりともその気になれば犯人を現場で即射殺する特権をもつエリートだという立場を考えれば、とたんにひりついたMEXICOの風がただよってくる。
 独特な読みづらさはあるものの、シルバー事件で展開されるひとつひとつのエピソードはそれほど理解できないものではない。そこにいるのは人間だ。過去があり、男女の感情があり、親子のきずなもある。90年代の終末思想や息詰まった雰囲気をまといながらも、そのほとんどが現在に通底するテーマをはらんでいる。
 


 いろいろと不便なところのあるゲームであり、万人にたいしておもしろいとは言わないが、シルバー事件は雰囲気だけ触ってみても十分おもしろいゲームだ。「えっ須田ゲー・・・なんかこわいし近寄らんとこ」と食わず嫌いするにはあまりに惜しい。予測変換に毒され、なんでもかんでもそうやって「100パーセント隅から隅まで理解できるゲームじゃないとユーザーフレンドリじゃないしよくないね」とゆう考えをもったやつはひとり孤独に老いてゆき、いずれ人生の目的を100パーセントみうしなってこたつでネコチャンを撫でるだけのマシーンになり誰からもかえりみられることがないまましぬ。必ずしも深く理解する必要はなく、気になったら突き詰めて考えてみればいい。
 一風変わった刑事モノとして読んでみると、その魅力にとり憑かれるかもしれない。




ENDER LILIES: Quietus of the Knights



 ENDER LILIESはいわゆるメトロイドヴァニアの系譜をなぞっており、探索しながらできることを増やしていくアクションゲームだ。


 主人公のリリィは、死ぬことができないまま狂ってしまった不死者たちを浄化しその魂を連れて行くことができる。リリィ自身にはさして攻撃能力はないが、魂たちに協力してもらい戦っていくという構成のゲームとなっている。
 楽曲の良さもさることながら、降りしきる雨のなか崩れかかった街並みなどアートワークもすばらしい。死にゲーであり、難易度はやや高いとおもうが、パターンを覚えてどのような攻撃を挟んでいくべきか入念に練る楽しみもあり、苦しいだけかというとそうでもないあたりがおれを昂ぶらせた。


 美しく、退廃的な空気をただよわせるこのゲームは、プレイするうちに苦しさを感じるかもしれない。生き残ったリリィが死者の記憶や感情を背負っていくのは、たしかに重い。おれもあまりに理不尽なだけの露悪てきな鬱ゲーはあんまり好きではない。
 しかしENDER LILIESはその闇のなかに、「それでも」と抗った人々の輝きがある。引き継がれるのは死者の悲しみばかりではなく、ただひたすらにリリィのことを思い、大切にしていた人々がいたとゆう事実も含まれている。彼らがリリィに寄り添い守ろうとするその姿には、絶望一色ではなく一縷の望みがあった。


 いささか暗いゲームではあるが、歯ごたえがある難易度とアートワークが相まって非常に質感がたかいだけでなく、ただただ悪趣味に走るだけではないあたりが紙一重でこのゲームを駄作にしなかったなとおもう。騎士のアニキがなにかと気遣いしてくれるので救いもあり、一服の清涼剤となっている。
 シナリオの色調でやや人を選ぶきらいがあるが、全体的に高いレベルでまとまっていたのでおすすめしておく。




ローション侍


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捕らえられ、身体改造の末、全身からローションが出続ける体になってしまった信長。
そこに脱出の好機が訪れる!しかし、ローションのヌメりにより歩くこともできない...
壁を蹴ることで逆にヌメりを活かして滑り、敵の攻撃をかいくぐり、出口へ向かえ!
―ストアページ紹介文より


 このゲームは大切なことを教えてくれる。うかつに天下布武すると500年後くらいにローションまみれにされフンドシ一丁で地面を滑る変態サムライとして名を馳せることになるのであんまり国家統一とかしないほうがいいとゆうことだ。


 このゲームの信長はカベを蹴ったりローションで滑るだけでなく、剣の名人だから敵に接触すると一撃でしとめることができる。たぶん力を入れずとも両断できるくらい刀の切れ味もすごいのだろう。へし切り長谷部への二次的な風評被害が懸念される。








 アサイラムのクソ映画に出てくるナチスと同レベルにまで進んできた信長の深刻なフリー素材化はひとまずおいておくとして、ゲームとしては非常に操作感がよく、あたまのおかしい世界観設定に反してまっとうな面白さを見せてくる。
 信長様はオヤジの葬式で抹香を投げつけるなど跳ねっ返りのつよいお方なのでさいしょは意図した動きをしてくれないが、慣れてくるとすさまじいスピードで敵を討伐し、第ローション天魔王としての風格を発揮する。きっと若いころから尾張を守るために日々さまざまな思案をかさねていたため、全身ベチャベチャのヌルヌルにされるこの世の終わりみたいなトラブルに巻き込まれてもすぐに対応できるとゆうことではないだろうか。

 ステージのギミックもよくできていて、敵が範囲攻撃をしかけてくるのですばやく移動しなければならなかったりとプレイヤーに適度なハードルを課してくるため、自然と操作の上達ができる仕組みになっている。
 おまえたちが知らないだけで安土桃山時代には自爆する忍者やレーザーを撃ってくる忍者などもいるため、搦め手で攻撃してくる敵をどうスムーズに倒せるかがカギとなってくるだろう。


 かなりネタゲー感のつよいローション侍だが、やってみるとステージ構成がかんたんすぎず難しすぎずの良いところを狙っており、爽快感のあるゲームに仕上がっている。価格も手ごろであるため自分で遊ぶもよし、フレンドめがけて「あちらのお客様からです」と信長様を滑らせてみるのもいい。






いじょうだ

 今年はコロナウィールスなど大地のはげしい怒りに巻き込まれ、地球上のおおくの場所がアージャントエナジーまみれのDOOMと化してしまった。好きなことができず、鬱屈とした思いを抱えた人々も多いだろう。
 しかしゲーマーには、まだ楽しめるものやできることがある。人混みに出かけるのはグッと我慢し、いまはウィンターセールに思いの丈をぶつけろ。おれはPROであるため夏に積んだままぜんぜん崩せていない過酷な積みゲーサバイバルを生き抜いており、この冬でさらに積みゲーを増やすことによりおのれを鍛えて油断なくタスクを詰め込んでいる。自分で自分のやることを増やしまくって無限にやることがある完璧な人生設計が完成したとゆう寸法だ・・・・。

 きっともう少しで春の芽吹きが来る。それまではじっと耐え忍び、戦い抜いてゆけ。



(逆噴射エイク郎)