12garage

主にゲームと映画についての雑記。

おまえはラブデスターで春の嵐に直撃しろ

 よくきたな。おれは逆噴射エイク郎だ。さいきん南国に遊びに行ったらホノルルとハワイが合体し時のループのなかに放り込まれてしまったが今日はその話はしない。ジャルタの目を盗んでパルププロットを書くあいまにこの記事を書いているとだけ言っておこう。これは実際リスキーな行動だが、真のおとこのためのコミック「ラブデスター」を知り、とにかくその面白さをおまえたちに伝えるために逆噴射している。

当エントリの特徴的な文体は社会派コラムニスト逆噴射聡一郎氏をリスペクトしております。お時間がありましたらぜひ原点である聡一郎氏の記事をお読みください。



この週末に読め


 おそらくこの記事を読んでいる時点でラブデスターというタイトルをSNSとかの口コミで目にしたやつもいるだろう。ちょうど週末だし、なんといっても本編閲覧がぜんぶ無料だ。今すぐ読みに行け。ASAPでな。


 といってもおまえたちはなんかへそ曲がりであり、「いや・・・まず事ぜん情報がほしい・・・・・」「なんか出遅れた感があるのでパス」とか考えてブックマ0クのかなたに葬られていくことだろう。まあ、今回にかんしてはおれもそうだったのでわからなくはない。だからおれはまず一話に飛びついてもらうため、このコミックがいかにホットで真のマンガであるかを語る。


 そもそもこのラブデスター、漫画界の大御所であるジャンプの電子版「ジャンプ+」で117話も連載してきっちり完結したチョーすごい実力派だ。おまえたちも世のWebコミッコがいかにようしゃなく打ち切りになるかは知っていると思うが、そのなかでこれだけの長期連載をぶちかました時点で相当MEXICOな物語であることがわかるだろう。既刊の単行本にして実に10巻も出ている。それが4月末から1日1話ずつ無しょう公開され、今日やっと全話が無料になったとゆう運びだ。

 「エッ117話・・・長い・・・・」おまえはそうやってすぐアナフィラッキシーめいた拒否はん応をおこすかもしれないが、何しろラブデスターのストーリーはいちおう学園が舞台になっているくせに校舎が半壊するくらいは平気な顔してやるムチャクチャなマンガなのでとにかく次が気になる。しかも登じょう人物はけっこう頭がよくスイスイ話が進むので、テンポよく読めてストレスもなかったりする。おれはきのう公開分である116話まで読み終え今日さいしゅう話を読んだので実質1日といったところだが、体感的にはそんなに長くかかった気はしなかった。
 週末の二日間くらいあれば余裕で読めることだろう。

タイトルにLOVEと付いてるのにやたらDEATHの比率が多い


 LOVE。おれはラブとついたタイトルを見た時点でこの作品をかんぜんに見くびった。ふざけるな。なにがラブだ、そんなことよりMOONであれもラブこれもラブしなさいと思った。

 そう、まず言っておくがおれはヘテロのラブコメがあまり得意なほうではない。嫌いではないが、男女がくっついたり離れたりのイヤグワカラテめいた応酬をヤバイ級に繰り返すので途中でどうしても食傷気味になってしまい、もうその時点で無理みが極まって本を閉じる。また、おれ自身が闇の青春をすごしたメキシカン、言い換えると地下二階の同士なので恋愛至上主義マンをみると気分が悪くなってまいってしまうからでもある。

 だがラブデスター、こいつは本当にやばい。先も述べたが、おれは最初このやばすぎる作品を「愛をかけたデスゲームぅ?どうせ最後はナヨナヨしたこしぬけが生き残りスタッフロールするんだろう」とナメてかかった。この時点で月代中学校だったらおれは1000回ぐらいばくはつしていたに違いない。ここがルルハワでほんとうによかった。

 このコミックがどうやばいかを端的に伝えるのはむつかしいが、とりあえずラブデスターのページにチラッと出ているコミック10巻の表紙の人物を見てみろ。


 あることに気づいただろう?そう、左手がない。この見るからにクリカラモンモンで長ドス抱えたやばそうなヤツは犬童というバンデラスであり真のおとこなのだが、ある事情によって自分の手を自分で詰めるというあまりにもギリギリをブッちぎる暴挙にでている。えぇ・・・ジャンプの漫画なのに・・・・(困惑)

 おまえもヒリつくメキシコの空気を感じ始めたかもしれない。そう、このラブデスターは腰抜けどもがピーピーさえずりながらデートする作品ではない。一分一秒にマジで命がかかっている状態で恋愛をさせられるというムチャクチャなラブ・コメディ・・・・そう、「手足を切り落としても命があるだけマシ」とかいう恐ろしい状況下でこいつらは恋愛をしている恋愛をやらないと生きて帰れないのだ。おれはこの濃厚すぎる流血沙汰に完全に打ちのめされ、月面で繰り広げられるBATTLEに刮目する。そして本能がめざめ汗と血がたぎりだすニオイを嗅ぎつけ、おれは危険な全話イッキ読みにDIVEしていった・・・・・。



あまりにも危険すぎる舞台設定が説得力を生み出す


 もし恋愛をしなければいけないルールがあるとして、羽を自由に伸ばせるリゾート地を舞台にしたらどうだろうか。そうするとこれは完全に90年台とかの月9でやってるやつになり、メロドラマにアレルギーのあるおれは天狗にスキー場へと連れて行かれ無理になってしまうことだろう。

 だがラブデスターはどうだ?ここの連中は一歩先にマジで死がそんざいするため、うっかりテキトーな愛をささやくと文字通り全身がばくはつして死ぬリスクがある。くわしくは読めばわかるが、基ほん的にラブデスターの登場人物はルールを破る、もしくはおたがい心が通じ合った相手に告白して脱出しないと1ヶ月後に自動でばくはつして死ぬという環境に置かれている。形式上カプッルでも心が通じ合ってないとばくはつするし、ル0ルを破っても当然ばくはつして死ぬ。だからばくはつしろとか思ってると本当にリア充が爆発する。

 であるからこそ、こいつらのつむぐ物語は骨太であり、つねに自分の命がかかった本気の行動に出る。いつ死んでも後悔しないよう信念に従うヤツ、媚びとペテンで安全を確保しようとするヤツ、恋愛感情を利用しようとするヤツ、誇り高く自分の道を征くヤツ・・・・・。そのすべてがこの状況を踏まえており、そこから出発している。なにしろキレイゴトを喋るにしたって自分の寿命が絡んでくるので、それでもなお立派な人間であろうとするヤツは完全に骨の髄まで覚悟が極まっており、ある意味それはそれで頭がやばい善人だということだ。

 そもそもこの無双系オシャレキャラ全盛時代の漫画なのに主人公のミクニ男塾に片足突っ込んでそうな暑苦しい快男児であることからも、作者の並々ならぬ熱意を感じる。そうゆうマジの人間から漂う危険なアトモスフィア、そこから繰り出される人間讃歌に魅力を感じざるをえない。



 つまりラブデスターで描かれる愛は、スナック感覚でてきとうにイチャコラしてホテルにしけこむタイプのやつではない。「こいつのためなら、命を懸けられる」「どんなに汚い手を使ってでもあの人を勝ち取りたい」「この愛を伝えるためなら、私は死んだって構わない」そうゆうMEXICOに自分を放り込めるようなヤバイやつらが魂を燃やし、男だろうが女だろうが傷や痛みを背負いながら流血してつかみとるチャンピオンベルトなのだ。この作品では善にしろ悪にしろ、極まりきったやつでないと生き残ることはできない。ハンパに保身を考えるうらなり野郎は毒を飲まされて死ぬし、命を懸けられないこしぬけのおためごかしはNOと突っぱねて殴打するすさまじい漫画だ。
 おまえも今すぐ読んで感情の嵐に身をとうじ、むき出しの愛を知ることだ。おれはその先の春で待っている。


(LOVE噴射エイク郎)