12garage

主にゲームと映画についての雑記。

ブルーアーカイブのイベントで突如語られた宇沢レイサという女の掘り下げと杏山カズサの過去に感情が破壊されている


※2023/05/15 追記

noteに大幅に加筆した改訂版を投稿したので、よければこちらをご覧ください。

note.com


 おばんどす。

 ブルアカのイベント読みました。




重い~……

重くて潰れそう…

読んでるだけなのに重いよ~~………



 今日は大した文量の記事を書くつもりはないんですが、ちまちまと進めていたブルーアーカイブがイベントで急にモンケン振り回しておれの感情ぶっ壊してきたのでたまらず垂れ流すことにしました。あんまり考えてものを書いていません。雑です。

 あとまあ当然なんですが、ネタバレを含んでいますのでイベントをクリアしきってから読むことを推奨します。



何なん?



 いやほんと何なん?急に刺してくるやん。なんかカズサの中二病にまつわるお話やっとると思ったら女子高生をいきなり平成ライダーの誕生秘話みたいな悲壮な決意で戦いに望まさすやん。ブルアカおまえ話してる途中に温度感あまりにも急に変わるよな。こわ…。

 宇沢レイサちゃん、作中のはじめこそいわゆる「痛い」女の子だと思わせる言動が多いんですが、公園でのシーンあたりから寂しがりだしかなり聡い子であることがわかってきて、先生はとても刺さりました。
 もちろん、かつて中学生だった大人たちのひとりであり、いまでも三十路を前にして中学十五年生やってて同級生が子供を抱いてる世代のおれからすると「う、うわぁ~~~!あったなぁ~~~」という意味でも刺さるんですが、それとは別に頭では自分の良くないところがわかってるけどコミュニケーションがうまく取れなかった思春期みたいなところがぶっ刺さってしまい、独身のころの福満しげゆきみたいな表情で眺めています。












 こんなにボロボロ…傷だらけなのに… 役目を…自分の役割を…!

 誰が…

 誰が笑えるというんだ……? 彼女を…!


   確かにレイサちゃんは決闘でしかカズサとの関わり方がわからず、相当な悪手を打ってきた自業自得ではありますが……それもやはり久しぶりに会えたライバルに舞い上がっていたことを自覚していて、「ああ、まずかったかも」とは薄々思っていたのでしょうね。たぶん頭の中では「あ、これヤバイかも…」と気づきながらついつい口が滑って止まらず、あとになってひとり反省会をするタイプなんじゃないかなと。おれも絶賛中二病の中学生のときに仲良くなったオタク女子グループの子に絡みすぎて「君、痛いよ」と距離を取られ疎遠になった熱量多めウザオタクだったので、「一人になって落ち着いた時にやらかしたことがグーッとのしかかってくるよね…」としみじみしました。あったあった。(老人)

 このシーン、ほんとなんていうか「いいんだよレイサ、泣いたっていいんだ……」と思わずにはいられない。つらい、悲しい、寂しい。だったら泣いてもいいのに、レイサちゃんは全然泣かないよね。笑ってやせ我慢してしまうというか、すごく不器用でワガママを言えない子なのかもしれない。このあときっちり自分の行動に筋を通し、やったことに落とし前をつけに行くことを含めて、本当にただ"人との関わり方の最初のボタンを掛けちがえた"だけで話してみると落ち着いて物わかりがいい優しい子なのだなと思わせます。ブルーアーカイブ、なんかそういうところあるよな……イオリに対してはポケサーとかバイトやってるときの桐生ちゃんレベルで先生の言動が不審になるくせにメインストーリーとかイベントだとめっちゃ急に子供の成長とそれを優しく見守る大人の構図を丁寧にやりだすとこがさ……

 それだけに、ラストの締めは本当に良かった。ウッウッ………良゙がっ゙だ……良゙がっ゙だな゙ぁ゙レ゙イ゙ザ…
 ナツ部長もあれはあれで存外あなどれない人というか、人のことよ~く見てるんですよね。最終的にどうなるかまではあんまり考えてないおマヌケではあるのですが、たとえばカズサとレイサちゃんの間で自分たちの関係がなんなのかわからなくなっているところに「悪友」とぴったりな距離感の言葉をみつけてあげることで付き合いやすくしたり、最後にレイサちゃんを招いて"レイサちゃんが居てもいい場所"を作ってあげたりと、ものすご~く人と人の関係のケアをやっているんですよ。
 今回ナツ部長が不在だったらブルアカがうっかりアークナイツ級の重さになるところだったぞ、いやマジで。ブルアカくんは透明感出すために急にレイヤー全体の彩度下げるとこあるからな。ちゃんと最後にハイライト入れなさいよね!!!!


カズサの脱スケバンを深読みしてみる

 レイサが宇沢絡みしてくるせいや中二病を忘れたい高二病のせいもあるだろうけど、作中のカズサを見ているとそれにしても中二病に対するアレルギーが強すぎるな、と個人的に思っていて。それが原因でレイサのことを不用意に傷つけてしまうことになるんですが、そのへんもカズサの視点に立ってみると確かに納得できるところがあるかもしれないな、と。

 まあまずカズサがスイーツ部を大切に思っていて、自分のキャスパリーグ時代がスケバンにバレることで迷惑がかかることを恐れている、というのが前提にあります。でももうひとつそこに要因が絡んでいるのではないか。



 

 カズサ、今はともかくとしてスケバン時代は結構ケンカを楽しんでる様子なんですよね。
 スケバンにもいろいろ悲しい事情があったりやられ役としてコメディリリーフをしてるせいで忘れるのですが、ブルアカ世界のスケバンも現実の不良と同じく、カツアゲやいちゃもん、店の人に吹っ掛けてタダで商品を巻き上げようとするような悪どい連中ではあります。カズサがそこまでやっていたかはわかりませんが、地域に名を轟かせるほどであればまあ相当に素行が悪いだろうし、弱い立場にある人から金品を巻き上げたりいじめて困らせてきたことは十分ありえますね。

 カズサが自分の過去を嫌がっているのは、そういうところも含めてなんじゃないかなと思ったりもします。キャスパリーグマビノギオンなんて名付けて自分に酔って小さい世界だけを眺め調子に乗っていて、相手の気持ちに思い至らず悪さをすることを楽しむようなところもあり……。それをあとから礼儀や道理を身に着けて振り返ってみたとき、自分がどれほど取り返しのつかない暴力と加害性で汚れているかまざまざと自覚するというか……。
 レイサに対してつらく当たるのは、そういう自分のもうどうにもできない過去の罪があることを天真爛漫なアイリたちと比較して悔いているのに、さも"ワルの伝説"のように吹聴され、変に持ち上げようとしてくるところに苛立っていた部分もあるのかな……なんて思ったりします。レイサがいると、自分がスイーツ部と並べるほどキレイな人間じゃないと思ってしまうからなんじゃないか、と。


 そういうふうに考えてみると、中盤でスイーツ部の面々が「スイーツ団」になろうとしたのは、あながちナツのノリや勢いだけではなかったんじゃないか、という風にもとれますね。カズサがたとえスケバンとして洒落にならない、誰かを傷つけるような悪さをしていたとしても、今カズサがここにいるのなら構わない。だったら自分たちだって同じになるから気にしなくていい。そういう"赦し"をともなったメッセージではないかなとも思えます。



 結果的にカズサはレイサちゃんの窮地に駆けつけることで考え直し、先生に語った通り「自分はスケバンだった。その過去は消せないから、考え方を変えて受け止められるようにする」という受容に至るわけですし、ナツにほじくり返されスケバンだったことをネタに笑ってもらうことで恥ずかしいなりに過去と向き合っていけるようになりました。先述しましたが、やっぱりナツは人のことをよく見ているんじゃないかな、と思うところです。
 トリニティがキリスト教をテーマにしていることとか四人の名前が祝福された植物であることを考えると、過去を悔い改めたカズサという今回のテーマはなかなか興味深いところがありますね。


(追記)



 ちなみに、ナツ部長はこういう人です。
 カズサのことも、レイサのことも、おそらく「そういうかたちの子がいたっていいんじゃない?」と思っているのではないでしょうか。
 見た目アホそう(失礼)ですが、彼女の思想を知ってから今回のイベントの行動を見直してみるとなかなか味わいがありますね。




 ブルーアーカイブ、子供から大人になって視野が広がっていく、思春期の心の機微を本当によく捉えたゲームですよ。これから紡がれていくストーリーにも大きく期待しています。







(……よし!半分以上おれが勝手に見てる根拠なしの幻覚だけど、いい話風にごまかせたな!!)