12garage

主にゲームと映画についての雑記。

CONTROLが面白いよってのとオマージュ元のSCP財団についての話

 CONTROLはいいぞ(操作局おじさん)  

 

 CONTROLを買ったんですがこのメン・イン・ブラック(映画の元になった都市伝説のほう)感最高ですね。人間には多分墨塗りされた報告書に惹かれる何かがあるんだと思います。    そしてやっぱり、SCPの世界観を理解してるとより楽しめますね。後でSCPについて知らない人向けにすこしガイドを書いておきますが、財団関係者の方はすぐに楽しめるそっち方向への親和性の高いゲームだと感じました。

 


 

 ちなみに今回はSCP財団について絡めて感想を書くつもりなので財団を知ってる人と知らない人向けにそれぞれ書いときます  

 


 

 

 

エージェント向けの話

 でCONTROLなんですけど、結構巷ではSCP風味があるということで財団のエージェントさんは気になってると思うんですが、僕としては安心して推せるゲームだなと。  


 SCP財団は基本非営利なので、大手が公式公認のゲームを作るのはなかなか難しいんですよね。あくまで有志が作るインディーズになってくる。そうなると長尺のアクションゲームの製作はちょっと難しいという話になる(やや短めなものではオブジェクトから逃げるゲームがあるにはあるし、2DではロボトミーCORPみたいなゲームもある)。  


 そこで今回CONTROLを作った505gamesはアクションTPSの蓄積があり、なおかつアランウェイクのようなミステリーの蓄積もあるので、SCP財団(をオマージュした舞台)を3Dアクションで描くには最適解に近い製作元だよなと。  

 SCPと言えばホラー!というのがどうしても先行してしまいがちだけど、そうじゃないんだよというところをCONTROLはしっかり押さえているのが僕としては高評価でした。オブジェクトには有用なものもあれば世界を数回滅ぼすやつもあれば意味不明なものもある、そういうところをCONTROLはしっかり描けているので、やっぱちゃんと作ってるんですよねそのあたり。ほぼ説明なしで物語に放り込まれるあたりも財団的で素晴らしい。また、オブジェクトを使ってオブジェクトを保護していたりするのでそこも流石の構築力というか、ちゃんとSCP理解してんなと思いました。  

 個人的にはボードが推しです。エージェントと博士とDクラスの皆はお友達をさそってCONTROLを始めよう。  



 

SCPってなんだよ

 ここからはCONTROLをやりたい/やり始めたけど元ネタのSCPってなんだよっていう人に向けて少し解説を書きます。まあ僕はそこまでSCPに明るくないのですが、さわりの解説ということで。  


 SCP財団というのは「世界中から変なものを集めて保管する変態集団」……"という設定でみんなの小説を集めたポータルサイト"です。  

 というとあんまりにもあんまりなのですが、まあざっくりとした理解はこれで良いでしょう。  

 

 言ってみれば壮大な秘密組織ごっこをやってるサイトとすればわかるでしょうか。世界を滅ぼすかもしれない物体や、人類に進化をもたらすかもしれない存在を秘密の収容所で「オブジェクト」として管理する……そういう設定でみんなが思い思いの「オブジェクト」を作って紹介するサイトなんですね。  


 というといかにもSCP財団は危険な物体から世界を守ろうとする善人の集まりに見えるかもしれませんが、財団の目的はあくまで保管して研究することなので、世界をどうしようとかはそこまで考えていません。ぶっちゃけ人類の命運はオマケ程度にしか考えてないです。  

 というか財団が無茶苦茶な管理をやってるせいで世界が滅んじゃったというストーリーを紹介しているオブジェクトもあります。Tale"マリアナ海溝から回収された文書"、それと関連するSCP-2000"機械仕掛けの神"なんかは「あっごめーん!アタシったら収容してるオブジェクトを湯切りに失敗したペヤングみたいに全部ダバァーッ!しちゃった♡」とかいう最悪のケース(デッドグリーンハウスシナリオ)ですね。……は?(マジギレ)  

 

 とはいっても、別に財団は世界を滅ぼすものばかり収容しているわけではなく、せいぜい人を数人殺して人体で自分の仲間を作る程度のクマのぬいぐるみや、座った人を問答無用でノースカロライナ州に発射する椅子、つまらない冗談を言うと物凄い勢いですっ飛んでくるトマト、プラスチックを分解する環境に優しい生物を作ろうとして出来上がった世界中の石油を喰らい尽くす害虫、フレディ・マーキュリーが唐突に現れてライブを始める旅客機など程度は様々で、ものによってはすでに解決されたもの(先のない扉とか)もあります。  

 

 さらにSCP財団の面白いところはSCPを活用してSCPを抑え込む対策を練ったり、そういう相互関係があるところです。  

 たとえばSCP-148"テレキル合金"なんかは近くの人の思考力を奪うヤバい金属なんですが、テレパシーや洗脳で暴れるオブジェクトを囲いこむには有効だったりするので一部のサイト(収容所)の壁材に使われている……とか。SCPの絡みもまた世界観を広げてくれます。  

 


 SCPは現在ものすごい数になっている上に、国ごとに支部を抱えている(アメリカ本部だけでなく日本の人が投稿してる支部やロシアの人が投稿してる支部なんかがある)のでなかなか手を出しづらいところではありますが、恐ろしいものばかりでなく切ないものや、オブジェクトと勇敢に戦って人々を守った物語などもあるので、まずはよくオススメされるものから読んでみるのもいいかと思います。  

 だいたいそのあたりをちょっと読んでおけばCONTROLの面白いポイントも掴みやすくなると思いますね。  


 最後になりますが、僕からは日本支部に収容されていて読みやすいSCP-40-JP、財団の明るい職場環境が伺い知れるSCP-231をオススメしておきます。ではご安全に。ミーム健全ヨシ!収容確認ヨシ!