BFV・ファーストインプレッション ~ 俺とお前と大土嚢
※この記事は2018/12/04時点での個人の感想を綴ったものです。後の変更、アップデート等によってゲーム内容が変化する可能性があります
久しぶりにゲームの感想を書く。
今回取り上げるのは、そう……しんのおとこのゲーム……
BATTLE FIELD Vだ。
バトルフィールド。それは、広大な戦場を兵士や戦車、航空機、果てはソファーまでが駆け巡ってきた、戦場をダシにしてムチャクチャをやるお祭りFPSである……。
そしてついに、1942や1943に連なりWW2をモチーフにした第三のタイトル、BFVが発売されたのだ!
ざっくりとした感想
今回のバトルフィールド、冒頭から書くのもなんだが個人的には様々なところが気になってしまう。無限ロードバグは頻発するし、大戦の書は発売時点でみっつしかないし……。点数で言えば、正直10点満点から3点くらいはマイナスせざるを得ないと思う。
でも
面白いので
100000000000000000000点プラスして
合計100000000000000000007点です!!!!
(小学生並の評価方式)
いや、まあ、ふざけてるわけではなくてですね。確かに冒頭にも書いたとおりバグが酷い。キャンペーンもちょっと少ないんですよ。巷でいろいろ言われてたり、評価が分かれるのもわかる。
でもね、欠点があるのを承知した上で言うけど、今作は個人的にかなり好き。BF1と比べるとBF1のほうが殿堂入りレベルで好きなんだけど、BF1の次に来るタイトルとしてBFVに不足はないと思うんですよ。そのへんについて、主観バリバリで書いていきます。
BFの充実した楽しみ方、そしてBFをすることによるその効果
バトルフィールドというシリーズは、2から4までの間に数々のスピンオフを挟みつつ、「Frost biteエンジンで現代戦を描く」というところに一旦落ち着くこととなった。
そしてDICEはシリーズを革新することを決意。これまで取り上げてこなかったWW1という時代をベースに、BF1で新しいプレイ感覚を模索した……。
ひとつ言いたいんですが、僕はですね、このBF1がほんっっっっっっっっとうに好きなんですよ。バトルフィールドの魅力がよく詰まっていると思う。
BFの素晴らしいところは、その交戦距離の多彩さだと思ってるんですよ。クソ広いマップで泥の中を這いずりつつ、豆粒ほどにしか見えない敵にヒィヒィ言いながらライフルを単発射撃してるかと思えば、その数分後にはサブマシンガン握って建物のドアをブリーチしてたりするわけです。潜んでいた分隊を掃討したと思ったら敵の重戦車が突っ込んできて、さらにそこへ飛んできた味方航空機が爆弾を落としていく。この渾然一体とした戦場の臨場感が、とくに全体的な挙動を重めにしたBF1では今まで以上によく出ていたと思います。
で、BFV。このBF1に続いて出してきたので、この臨場感をかなり色濃く受け継いでると思います。分隊と一緒に駆け回り、放り投げられた弾薬袋をキャッチして、瀕死の戦友を助け起こすこの一体感。ちゃんと「地続きになってる」感じがある。
さらにマップに関しても工夫が凝らされ、進行ルートが数多く取れることも楽しいです。そして野戦築城システム、これが何より素晴らしいと感じますね。
地面に土嚢を積み上げる程楽しいことは無い
みなさん、土嚢積んでますか。
積んでないですか。それはいけませんね。
土嚢を積んで穴を掘ることほどこの世に楽しいことはありません。
BFVというゲームの面白さ。それは土嚢を積むことといっても過言ではないと思います。
何言ってんだコイツ、頭に土詰まってんのかと思われるかもしれませんが、土嚢を積んで穴を掘り、瓦礫の山で壁を補強することが非常に面白いんです。絵面はすごく地味ですけどね。ひたすら建築作業してるだけなので。
なぜ地面を掘り、土嚢を積む野戦築城が面白いのかというと、それが状況をコントロールする新しい要素になるからです。
たとえば、ダーッと平原が広がり、拠点まで塹壕もしくは裏路地、地下通路が何本か伸びている。もしくは進む道が完全に何本かの通路に限定されている。
これがBF1、ひいてはバトルフィールド近作の日常風景でした。このようなマップの進軍ルートは、概ね塹壕を通るルートかビークルを盾に塊になって平野を進軍するルートに絞られてきます。他のマップも同様、マップの構造に沿ってたいていお決まりのルートが生まれ、そこをいかに妨害するか突破するかといった展開になってきました。いわば定石というやつですね。
ところがBFVでは、土嚢を積んで穴を掘れば、そこを中継地点にして新しいルートを作ることができます。コレが面白いんですよ。いくつかの通路が敵にバッチリ監視されていたとしても、新たに他の道を作ることができるため、毎回同じ道を通る必要がなくなります。ということは一回一回のプレイごとに違う方向から攻め、違う方向を守ることになるのでリプレイ性が増すわけですよ。過去作に倣えば、ある種のrevolutionとも言えるでしょう。
攻める際だけでなく、もちろん陣地を守るときにもこの建築システムは味があります。たとえば度重なる爆撃で建物がまっさらに潰されてしまっても、応急処置としてトントンと板を打ち付けて遮蔽物を作っておけば、敵の攻勢に再度備えることができる。バイポッドを置くための段差にもなるので、弾幕を張れるマシンガンを展開しやすい。これによって攻めづらくなるので、攻撃側もパンツァーファウストで守りを突き崩す……このように状況が変化していくのが面白いです。
僕としてはぜひ皆さんにもBFVで大地を掘る喜び、壁に木の板を打ち付ける感動を味わっていただきたいところですね。
DICE様は自分を探している
ここまではいわゆる自分にとってのprosを挙げてきましたが、気になるところもやっぱりあります。
というのも、なんというか現時点で「DICE側がBFVをどういったゲームにしたいのか決めあぐねている」といった感があるからです。
先程も述べたとおり、僕が想像する限りおそらくDICEとしてはBF1の流れを汲んでやや挙動の重い、TTKが遅めで銃の拡散がやや大きいゲームとしてBFVを作り上げるつもりだったんじゃないかなと思います。しかし、「BF1のあとにそれを連続でっていうのもなぁ…」と考えたんでしょうか、実際には拡散がかなり小さくTTKが速めのゲームとして完成させたわけですね。そして今度はTTKを落とす方針を明かすなど、ちょっと二転三転してる部分があります。
やっぱり、葛藤してるんじゃないかなと思います。カジュアルFPSというのは、TTKが速く銃の拡散が低いほど刺激的で新規ファン受けする傾向があるようで、DICEとしてはそこも取り込んでいきたいのではないでしょうか。でも作品自体はBF1の通好みな、シブい流れを続けたい雰囲気がある。………う~~~ん……難しいですよね。これはなんというか、僕もDICEに感情移入してしまうところがあります。ToW(タイドオブウォー)での順次拡張方式をとったことで、なおさら今後どういう作品にするべきか舵取りに慎重になっているようにも思います。
ただ、今後どうなるかわからないという点において、BFVはすごく開拓の余地があるゲームだと言えます。未完成と言えば聞こえは悪いですが、プレイヤーからのフィードバックを受けてTTKを変更したりマップに配置してあるオブジェクトを変えたりといった可塑性に富んでいることは、R6SやOverwatchなどに代表される現代のオンライン対戦ゲームの潮流に準じているわけですからね。
それに、同じEAタイトルのTITANFALL2でも行っていた取り組みですが、マネタイズをDLCではなくスキンやアピアランスに絞ったことでプレイヤー人口の分断を避ける効果が期待できますし、DLCを買ったプレイヤーのみが強くて新しい武器を使えるといった事態も抑えられるので、なかなか興味深い試みなんじゃないでしょうか。
バグについては可及的速やかに対処していただきたいとしか言いようがないですが、ゲームの方向性をプレイヤーたちと一緒に模索していくという在り方は、決して悪いところばかりではないと思いますね。強いて言えば、DICEのバランス調整がいつも壊滅的にヘタクソなのが気になりますが…
【こぼれ話】ダイバーシティについて
これについてはモメそうなので書くつもりはありませんでしたが、個人的にどうしても譲れない意見を持っているので少しだけ触れておきます。
人によって不愉快になるかもしれないので、センシティブな内容が苦手な方は読み飛ばしてください。
BFVのPV発表時、女性兵士が登場したことでかなり騒動になりました。
実のところ、僕も女性兵士については懐疑的な立場で見ています。
たとえば、「女性の兵士がいた」という作戦をもとに話をふくらませ、女性を登場させるというなら良いと思うのですが、人権団体や市民団体といったいわゆるSJW(ソーシャルジャスティスウォーリア)からの火の粉を払うために雑に実装されたようにしか見えず、今でも少し残念に思っています。
しかし、大戦の書に追加される「最後の虎」ではドイツ国防軍が主人公として登場すると知り、僕は少しBFVの在り方を見直そうと考えました。
これまでFPSをはじめ、近年のゲームでナチス・ドイツが「一つの勢力」として登場することはあっても、主人公になることはほぼありませんでした。彼らに対する忌避感を抱く人がいることや差別や虐殺をはじめとした到底許されるべきでない行いのこともあり、クリエイターが避けたり人々に抗議されても仕方のない題材ではあったと思います。
ですが、真にダイバーシティを掲げるというならば、そんな彼らをすら見つめなければならないとも考えます。加害者に関わるものは有象無象、末端まですべて口をふさがねばならない、というわけではないはずです。中には黙ってユダヤ人の子供を見逃す兵士もいたかもしれませんし、自分の妻と子に矛先が向くことを恐れて加害者となることを選んだ将官もいたかもしれません。もちろん、残虐でプロパガンダに踊らされた愚かな人もいたでしょう。非道な実験を行った科学者もいます。でも、それに蓋をしてすべて見なかったことにするのが良いのでしょうか。ナチスドイツが主人公として登場する作品というだけで弾圧するのは、良いことなんでしょうか。もしかしたら、ただただ平和を求める内容かもしれないのに。
だからこそ、どのような人にも目を向け、伝えるべき物語を臆せず伝えるという意味でBFVにナチスドイツの主人公が登場するならば、僕はEAとDICEの英断に対して敬意を表するつもりです。現時点ではまだ実装されていませんが、そのように企画しただけでも勇気ある行いだと思います。示唆に富み、そして面白い物語であることを期待して止みません。
はみだし話は、以上です。
※2018/12/06 追記
「最後の虎」が実装されました。
スポイルしたくないので詳しくは触れませんが、「DICEは本当に良いゲームを作った」とだけ言っておきます。
まとめ:バトルフィールドと私
総評して、BFVは「荒削りながらバトルフィールドとして一定の価値を有している」と思います。
すでにBFBCやMoHでいろいろと蓄積がされてから開発されたBF3やBF4とは違い、WW2という時代背景ゆえ過去作からのアセットの使い回しが難しいため流石にスタートダッシュに苦しんでいるようですが、BF1の発売時と同程度のボリュームはあるように感じます。
まだまだ方向性が定まっていない部分があるので、安牌を選びたい方には一応様子見をおすすめしておきますが、僕個人としては十分「もう買っても良いんじゃないかな?」というふうには思いますね。来年初頭にはCO-OPモードの追加も予定されているので、このままで行けばコンテンツ量もちゃんと潤うと思います。
バグを含めていろいろな意味でバトルフィールドの勝手がわかっているシリーズファンの方には、特に問題なく勧められるかなという感じです。とか言ってるとステマ野郎とか言われるからDICEくんさっさとバグ直して♡
キミもBFVで土嚢を積んで、僕と一緒に汗を流そう!!!
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